お薬手帳の活用テクニック教えます!

目次

みなさんはお薬手帳を普段使っていますか?

使うといっても自分で管理をしている方は少ないのではないでしょうか?
おそらくほとんどの方が医療機関にただ渡して薬の記録を貼ってもらうだけで終わってしまっているのではないでしょうか?

お薬手帳は自分の健康を守る大切な手帳です。実は薬の記録を残すことだけが手帳の使い方ではありません。

薬の記録を残すだけにとらわれず、過去の副作用歴、アレルギー歴、
お子様の場合は今の体重、薬を飲み始めてからの体調変化などを自分で手帳につけ、自分を公開することで初めて手帳本来の機能を発揮します。

例えば9月28日に処方された薬の記録をお薬手帳に貼ってもらったとしますよね?

貼ってもらって満足するのではなく9月28日に処方された薬を服用した後の体調変化や、飲み始めて変わったこと、いつもと違う変化が出た場合は9月28日に貼ってもらった薬の記録の下に手書きで書いておくんです。

そうすると次回受診したときに医師が診察しやすくなります。

さらに薬剤師に見せればそれが副作用なのか、薬によるものなのかが分かります。

またお子様の場合は手帳に薬の記録を貼ってもらったらその時の体重を書いておくのです。

そうすることで次回受診時は医師が体重に合った薬の量を処方しやすくなりますし、薬剤師も医師が処方した量が適正量かどうかを手帳を見て瞬時に判断できます。

市販の薬を飲んでいるのであればその箱を切り取って手帳に貼ったり、中に同封されている説明書を手帳に貼ったりしてもいいと思います。

そうすることで医師が処方する薬との成分重複も防止することができます。

お薬手帳を使っているという皆様は是非、自分流の手帳を作り上げてみてはいかがでしょうか?

お薬手帳はあなたの歴史の一部なのですよ。

お薬手帳には必ず副作用歴・アレルギー歴・病歴を書き込んでおこう

クリニックや薬局に手帳を持っていき、飲み合わせを確認してもらい、シールを貼ってもらって返してもらうだけで終わってしまっていませんか?

実はお薬手帳には、必ず患者様の氏名、連絡先、アレルギー歴、病歴、副作用歴など患者様のこれまでの既往歴を記載するページが存在します。

お薬手帳には必ず副作用歴・アレルギー歴・病歴を書き込んでおこう

これは、お薬手帳であるための必須条件にもなっています。

薬の服用歴が経時的に記録が出来る形式になっており、また氏名、連絡先、その他既往歴を記載する箇所があることが手帳の条件になっているからです。

私たち薬剤師も日々お薬手帳を患者様からお預かりし、飲み合わせを確認し、シールを貼って患者様にお返ししていますが、ほとんどの患者様は表紙に氏名を書いて終わってしまっています。

表紙をめくると患者様の個人情報のページ(連絡先、住所、既往歴等)を記載するページがあるのにも関わらず空欄になっているのです。

実はここの個人情報ページが薬を処方する際や薬を投薬する際にきわめて大事な情報源になるのです。

何故かというと、「薬の副作用は何も薬同士の飲み合わせで引き起こるとは限らない」からです。

普通の人が服用しても何の問題もない薬をある病気を持っている人が服用すると重大な副作用につながったり、ある食べ物のアレルギーを持っている人が服用すると副作用が出てしまう薬があったり。

このようなことが本当に頻繁に起こりえるのです。

また、副作用歴も同様です。

「私は副作用が出た薬は全部覚えているから大丈夫だよ」という方もいるかもしれません。もちろん意識の高さも伺えますし大変すばらしいことだと思います。

ただ、薬には系統というものが存在し、ある薬で副作用が出た場合、同一系統の違う名称の薬でも副作用が出る可能性があるのです。

例えば、Aグループにa,b,c,d,eという5つの薬が存在するとしましょう。

このうち仮にbという薬で副作用が出てしまいbという薬の医薬品名を覚えていたとしてもa,c,d,eという薬でも同様の副作用が出る可能性があるということです。

ですので、お薬手帳を使っている患者様は、是非お薬手帳の表紙には氏名を、個人情報のページには副作用歴、病歴、アレルギー歴を必ず書いておく事をおすすめします。

また、薬局というのはこれまでの患者様の薬の服用歴、病歴、副作用歴をしっかり記録していますので薬局の薬剤師に言って自分のこれまでの既往歴を教えてもらったり、薬剤師さんに直接記載してもらうことをおすすめします。

絶対見逃してほしくない情報は思い切って表紙に書く

皆さんは過去にお薬で嫌な体験をしたことはありませんか?

例えばお薬を飲んだらひどい薬疹がでてしまったり、胃が荒れてしまったり、ひどい眠気が出てしまい仕事に手がつかなくなってしまったりなどなど。

または、薬を処方してもらう時に絶対見逃してほしくない情報はありませんか?

例えば粉薬は全く飲めないからシロップで出して欲しい、胃潰瘍を持っているから胃に優しい薬を出してほしい、仕事上眠気が出る薬は困るなどなど。

こういう場合は皆さんはどうしていますか?

診察時に医師に伝えるというのも、もちろん1つの方法です。

しかし、診察の時に医師に伝えるのを忘れてしまったり、うまく伝わらなかったりする場合だってあるかもしれません。

また、仮にしっかり伝わったとしても1回伝えたから2回目以降はもう大丈夫だろうと安心してしまいませんか?

実は1回伝えたとしても、ある程度時間が経過してしまうと、「今はそんなことはないだろう」と思われてしまい、また痛い目にあってしまう可能性があるのです。

そこで、自分にとって絶対に見逃してほしくない情報は思い切ってお薬手帳をに書いてしまうんです。

しかも表紙に!!大きな文字で!!

絶対見逃してほしくない情報は思い切って表紙に書く

前にもお話ししましたがお薬手帳はただシールを貼るための台紙ではありません。
いろいろな情報を書き込んでいいんです。

あとはお薬手帳を医師や薬剤師に見せるだけです。

それを見せられれば、見せられる方は嫌でも目に入ってくるわけです。

もちろん、お薬手帳の中に記載しても結構ですが、手帳の中の情報量が増えれば増えるほど、大切な情報が埋もれてしまい発見されにくくなってきます。

ですので、自分にとって絶対に見逃してほしくない情報はお薬手帳の表紙に思い切って大きな字で書いておくのも自身の健康を守る上で非常に有用だと思います。

連絡先にはメールアドレスも記載しよう

今回はお薬手帳を万が一紛失してしまった場合に困らないようにするための方法をお伝えしたいと思います。

ところでお薬手帳の普及のきっかけになった出来事を皆さんはご存知でしょうか?

実は阪神・淡路大震災がきっかけでお薬手帳の普及が始まったのです。

この震災で、「何人もの人が薬を飲みたくても医薬品名が分からない」という状況になり薬を飲みたくても薬の名前が分からず処方が出来ない状況になってしまったのです。

「ほらほら、あれだよ、たしか白い色の血圧の薬だよ。」「白い楕円形の錠剤だよ。」「1日2回飲む心臓のカプセルの薬だよ。」

このような状況になってしまったのです。自分がどのような薬を飲んでいたか、また、薬の形、色は覚えていても医薬品名が思い出せない。そのような人がたくさんいらっしゃったようです。

このような事が今後二度とないようにお薬手帳が普及し広まっていきました。

もし、あのときにお薬手帳がすでに普及していればこんな事態は防げたかもしれません。

お薬手帳って大事ですよね??

しかし・・・

自分の命を守ってくれるこんな大事なお薬手帳。
紛失してしまったら大変です。

何処かに置き忘れてしまったり、あるいは旅先で落としてしまったり。

もし誰かが拾ってくれたとしても、お薬手帳に連絡先が書いてなければ永遠に手元には戻ってこないのです。

ですので、手帳には必ず連絡先の住所や電話番号を記載しておきましょう!!

さらに、メールアドレスを持っている人は是非メールアドレスも記載しておきましょう。

連絡先にはメールアドレスも記載しよう

というのは、東日本大震災の時に「電話が通じない」という状況が発生したからです。
(この震災によりお亡くなりになられた方々にはご冥福をお祈り申し上げますとともに被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます)

地震などの災害で家屋が崩壊したり、自宅の電話が壊れてしまった場合、たとえお薬手帳を誰かに見つけてもらったとしても電話だと連絡のしようがありません。

携帯電話があるじゃん。

と思われるかもしれませんが、東日本大震災の時は携帯電話もほとんど通じなかったのです。

しかし、メールであれば、ほぼ問題なく連絡のやり取りが出来ました。

また、今はさまざまなIT関連会社などからフリーメールのアカウントが無料で簡単に取得出来る時代です。

googleやyahooなどのフリーメールアカウントを取得している方もたくさんいるのではないでしょうか?

このようなフリーメールのアカウントを取得している方は是非、お薬手帳の連絡先に記載しておくと良いと思います

このフリーメールの最大のメリットは、自分の携帯電話やパソコンが万が一故障してしまい音信不通になってしまった場合でも、漫画喫茶などのパソコンからメール内容を確認できるのです。

ですので、最後の切り札として、お薬手帳の連絡先にはメールアドレスも記載しておく事をおススメします!!

お薬手帳にはインデックスをつけよう

皆さんのお薬手帳にはどれくらいの情報が蓄積されていますか?

使い始めたばかりでまだ3ページ目?

半年間くらい使っているので手帳の半分くらい?

実はお薬手帳というのは、長い期間使えば使うほど、そして病院にかかればかかるほどそれに伴い情報量も増えていきます。

もし、副作用の情報、病歴、薬を飲んで体調が悪化したなどの大切な情報をページの所々に記載してあった場合、お薬手帳に蓄積した情報量が多ければ多いほど探すのが至難の業になってしまいます。

そのような絶対見逃してほしくない大切な情報をしっかりお薬手帳に記載してもそれに気づかず、自分に合わない薬をうっかり飲んでしまい同じ苦しみを味わいたくないですよね?

もちろん私たち薬剤師はそのような事が絶対にないように、患者様ごとに作成した服用記録(カルテのようなもの)を確認し、過去の副作用歴やアレルギー歴などを必ず確認した上で薬をお渡しています。

しかし例えば次のようなケースはどうでしょう?

毎回かかりつけのA薬局で薬をもらっている患者様が、たまたまB薬局でお薬をもらう場合。

このような事例はごく普通にあり得る事ですよね。

もちろんA薬局はかかりつけ薬局な訳ですから患者様の副作用歴やアレルギー歴はA薬局のカルテにしっかり記録されていますので薬剤師がしっかりチェックしてくれます。

しかし、たまたま利用したB薬局ではどうでしょう?

もちろんB薬局は初めて利用する訳ですから患者様の副作用歴やアレルギー歴に関するカルテがありません。

問題ですよね?

A薬局の患者様のカルテ情報はB薬局では見れないのです。

もしA薬局のカルテの副作用歴に記載されていた薬がB薬局で気づかず出てしまったら?

考えるだけで恐ろしいですよね?

こんなときに役に立つのはやはりお薬手帳なんです。かかった先々の薬局や病院にお薬手帳を見せるだけで、その患者様の情報が共有出来るのです。

お薬手帳の活用テクニック

少し話がそれてしまいましたが、お薬手帳は情報量が蓄積すればするほど、本当に大切な情報を探すのが困難になってきます。

そこで是非やっていただきたいのが、お薬手帳にインデックスをつける事です。

お薬手帳にはインデックスをつけよう

例えば、ある薬で副作用が出てしまったときは、そのページに副作用が出た旨を自分で記載し、そのページにインデックスをつけておくのです。
そうすればその手帳を見る側はそのページに自然と目がいきますし、見逃すはずがありません。

私たち薬剤師は、お薬手帳を預かった場合、ただ今回のシールを貼るだけではなく手帳に貼ってある併用薬を確認した上でお返ししていますが、この時に必ず全てのページを見ているとは限りませんし、人間ですから見落としてしまう可能性だってないとは言えません。

1年以上前などの古い情報はどうしても目が届きにくくなります。

ですので、大事な情報が書かれているページは時が経過してもずっと永遠に生きているページにしてほしいのです。

薬の内容が毎回同じでも必ず記録を残しておこう

毎回同じ薬だから途中からお薬手帳を使わなくなってしまったという方はいらっしゃいませんか?


あるいは薬の内容が変わらなければ手帳に記録を残してもあまり意味がないのではと思っている方はいらっしゃいませんか?

いいえ。決してそんなことはありません。

次の二つの写真をご覧ください

薬の内容が毎回同じでも必ず記録を残しておこう

写真からも分かるように2月1日にゼスランという薬が30日分、その約30日後にまたゼスランという薬が30日分、そして4月15日にまたまたゼスランという薬が30日分継続して処方されているのが分かりますね?
ところがこの写真のケースでは毎回毎回ゼスランという同じ薬だからという理由で4月15日でシールを貼るのをやめてしまったのです。次に下の写真をご覧下さい。
お薬手帳の記録が9月10日からまた再開しています。

普通であればこのお薬手帳を見たときに、4月15日〜9月10日までの間は何も薬を服用していなかったのだろうと解釈してしまいます。

薬の内容が毎回同じでも必ず記録を残しておこう

そして案の定、このお薬手帳をみた医師はゼスランという薬は今は服用していないと解釈してしまい、全く同一成分の名前の異なるニポラジンという薬を処方してしまったのです。


そうです。大事なのは処方されている医薬品の名称だけではなく日付なんです。


私達薬剤師をはじめ、医師の方はお薬手帳のどこを見ているのかというと、もちろん服用している併用薬の情報も見ますが、その他にもその併用薬を今現在でも飲んでいるのかもしっかり確認しているのです。つまり処方日もしっかり確認しているのです。

写真の事例のような痛い目に合わないようにするためにも、たとえ毎回同じ薬でもお薬の記録を残すことを強くお勧めいたします。

ジェネリックを服用している人は先発品の名称も記載しておこう

皆様の中にはジェネリック医薬品を希望して服用している方はいらっしゃいませんか?

もしかしたら保険者の方からもジェネリック医薬品希望カードなどを配布されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ジェネリック医薬品を服用している患者様はもちろん、途中からジェネリック医薬品に変更してもらった場合などは、なるべく変更前の先発医薬品の名称をお薬手帳に記載しておくことをおすすめします。

ちょっと下の写真をご覧になって下さい。

ジェネリックを服用している人は先発品の名称も記載しておこう

写真のお薬手帳の左側のページと右側のページの医薬品は実はまったく同一の医薬品なのです。

左側がすべて先発医薬品、右側はその先発医薬品に対応するジェネリック医薬品です。

これは意図的に作ったものですが、このようなことが実際に頻繁に起こっているのが現状です。

これは本当に恐ろしい事だと思いませんか?

毎回ずっと同じかかりつけの病院やクリニックにかかっていれば、このような事はほとんど起こりませんが、例えば整形外科・眼科・耳鼻科などいろいろな医療機関にかかっている患者様ほど起こる頻度は増えます。

「医薬品名が全く違うのに成分は同じ」と言うよりも、「成分は同じなのに医薬品名が全く違う」と言った方が怖いイメージが湧くのではないでしょうか?

さらに恐ろしい事実をお話し致します。
1つの先発医薬品に対して、ジェネリック医薬品は1個とは限らないんですよ。

例えばAという名称の先発医薬品があったとすると、それと全く同一の成分を含んだジェネリック医薬品は数種類存在し、その数種類は全て医薬品名が異なるんです。

つまり、名前が全く違う医薬品でも実は同じ成分で、それらを同時に服用してしまい思わぬ副作用につながってしまうということが起こりえるのです。

ではどのような対策をすればよいか?

もちろんお薬手帳を活用すれば良いのです。

お薬手帳には先発医薬品だったり、ジェネリック医薬品だったりいろいろな薬の情報が記載されていると思います。

もし自分が服用している薬の中にジェネリック医薬品があるのなら、そのジェネリック医薬品の先発医薬品名を手帳に必ず記載しておく事です。

お薬手帳:ジェネリック
お薬手帳:先発品

先発医薬品というのはジェネリック医薬品と違い、一つの成分に対して通常は1種類しか存在しません。

手帳に自分が服用しているジェネリック医薬品の先発医薬品名を記載しておけば、医師や薬剤師はそれを見ればすぐに分かりますし、飲み合わせも容易に確認ができます。

もし自分が服用しているジェネリック医薬品の先発医薬品名が分からない方は薬剤師に言えばすぐ教えてくれると思います。

お薬手帳をうまく活用して自分の健康を守って下さいね!!

副作用歴だけでなく良く効いた薬も記載しておこう

さて、今回はお薬手帳をうまく活用して効率よく治療を進めていく方法をお教え致しましょう。

それはズバリ、服用した薬のうちよく効いたなと感じた薬をお薬手帳にメモしておくだけです。


ある薬を服用して「副作用が出た」あるいは「アレルギーが出た」など自分にとって不利益な症状が出たときはお薬手帳にその旨を記載する人は少なくないと思います。

しかし、よく効いた薬はどうでしょうか?

おそらく、よく効いた薬というのは特に手帳に何も記載せず、「あー、良くなった」で終わってしまっている方がほとんどではないでしょうか?

人間というのは「快楽を追求するか?」「苦しみから逃れるか?」の2つの選択肢があった場合、心理学的にほとんどの人は後者を選ぶそうです。

つまり、副作用情報を記載する=苦しみから逃れる、よく効いた薬を記載する=快楽を追求すると言い換える事が出来ます。

しかし、このよく効いた薬を手帳に記載しておく事こそが病気を早く治すための助けになる事があるのです。

一度服用してすぐ熱が下がった、すぐに痛みが治まった、すぐに咳が止まったなど、自分が服用した薬でよく効いたなと感じた薬をお薬手帳にメモしておけば、また同じような病気になった時にそのお薬手帳を医師に見せれば、自分にとってよく効いた(自分に合った)薬を出してくれるかもしれないのです。

副作用歴だけでなく良く効いた薬も記載しておこう

例えば、出張先で風邪をひいたり、勤務中に転んで足を怪我したりしてしまった時に、過去に服用して風邪がすぐに治った薬やよく効いた鎮痛剤をお薬手帳に書いておき、それを出張先や勤務先の近くのクリニックで医師に見せれば自分にあった薬を出してくれるかもしれません。

実は、よく効いた薬を手帳に記載しておくという事は、無駄な薬を服用しなくても済むということにもなり、医療費の削減にもなるかもしれません。

不要な薬は極力服用せず、本当に自分に合った(自分にとって良く効いた)薬のみを服用する事でスムーズに病気を治す事ができるかもしれないのです。

もちろん、病気によって処方する薬も異なりますので、全部が全部当てはまる訳ではありませんが書いておいても決して損ではありませんし、スムーズに治療を進めていく上で書かせない情報の1つだと思いますよ。

外用薬は使い切る予定日を記載してもらおう

今回は、外用薬が処方されたときにお薬手帳をうまく活用する方法をお教え致します。

外用薬と言うとどのような薬があるでしょうか?

すぐ思い浮かぶのが点眼薬、点鼻薬、うがい薬、湿布薬、テープ剤、吸入剤などでしょうか?

でも、外用薬って「全量でいくつ出ています」とは説明を受けても、「何日分出ています」とは説明を受けませんよね?

「目薬が2本、湿布が30枚出ています」などと説明を受ける場合が多いのではないでしょうか?

しかし、果たしてそれらが何日分なのか考えた事はありますか?

薬が何日分出ているのかが分からないという事は、その外用薬が何日に使い切るのかが分からないという事になります。

これは何を意味しているかというと、次にいつ受診すればよいのかが分からないんですよね。

そうなると、例えば突然日曜日に薬を切らしてしまったり、夜に薬を切らしてしまったりして苦しい思いをしてしまう可能性があるのです。
気づいてからでは遅いですよね。

錠剤であれば薬がどれくらい残っているのかが目で見れば一目瞭然で分かりますが、外用薬はどれくらい残っているのかが分かりにくいものが多いです。

点眼薬や湿布などは万が一切らしてしまっても症状を我慢すれば最悪問題はありません。ただし喘息の発作をコントロールする為の吸入薬をいきなり切らしてしまうと大変な事になってしまいます。

ですので、外用薬をもらった場合はそれが約何日分で、いつ頃使い切る予定なのかをお薬手帳に自分で記載しておいたり、薬剤師さんに書いてもらうとよいと思いますよ。

お薬手帳に外用薬は使い切る予定日を記載してもらおう

外用薬は残量に気づかず、気づいたら使い切ってしまったというケースが本当に多いのです。

小児の場合のお薬手帳の活用法 体重を記載しよう

今回はお母様が自分のお子様のお薬手帳をどのように活用すればよいのか?についてお伝えしていきます。

ところで、クリニックで体重を聞かれたのに薬局でもまた体重を聞かれたなんてことありませんか?

お子様の薬の量は体重で決まります。

少し話がそれますが、「クリニックで体重を聞かれる理由」と「薬局で体重を聞かれる理由」は実は意味合いが少し違うのです。

クリニックで体重を聞かれる理由は、体重に合った薬を処方するためです。薬の量を体重あたりに換算するために体重を聞かれます。

では薬局でも何故体重を聞かれるのか?きっと何回も何回も体重を聞かれてうんざりしている方も少なくないでしょう。

しかし、ご理解していただきたいのは、薬局で体重を改めて確認する事で、医師が処方した薬が体重あたりの量として妥当かどうかを判断する為なのです。

つまり、クリニックでは「体重あたりの薬の量を決めるため」、薬局では「医師が処方した薬の量の妥当性を確認するため」に体重を確認しているのです。

0歳〜5歳くらいの小児というのは本当に著しく体重が増えます。そうするとそれに伴って薬の量も増えていきます。

それ故に体重は1〜2ヶ月程度に1回は必ず確認しているのです。だから、前回体重を伝えたはずなのに、また聞かれたと思わないで下さいね。
特に小さいお子様では前回と今回で体重が違うので当然薬の量も変わってくるのです。

「以前は良く効いていた薬が最近は全く効かなくなった」

このような場合はもしかしたら最近の体重を伝えていないため、以前の薬の量のままであり、体重に見合った量になっていない可能性もあります。

こんなときに役に立つのがやはりお薬手帳です。是非ここでもお薬手帳を活用して下さい。

では、お薬手帳をどのように活用すればよいのか?

ズバリ・・・

手帳の最新ページに最新の体重とその体重を測った日付を書いておくだけです。

小児の場合のお薬手帳の活用法 体重を記載しよう

たったこれだけです。あとはお薬手帳をクリニックと薬局に掲示するだけです。
これだけで体重に見合った薬を処方してくれますし、その量が妥当かどうかも薬剤師さんが確認してくれるでしょう。

是非、お試しください。

体重を書いておくだけで、薬の処方量の決定、確認が同時にできますので過量投与による副作用の防止にもつながりますし、いつでもその時の体重に見合った量を服用する事で治療を早めてくれることでしょう。

小児の場合のお薬手帳の活用法 薬服用後の状況を記載しよう

ところで、このようなご経験はありませんか?

薬局で薬をもらう時に、「粉薬が飲めないのに粉薬が出てしまった。シロップのほうがよかったのになぁ。」

「幼稚園に行っていて昼の分を飲ませることができないから1日2回の薬がよかったのになぁ」

などなど。お子様をもつお母様なら1度はこのようなご経験があるのではないでしょうか?

しかも、このようなケースは意外と処方箋をもらってから気づくのではなく、薬局で調剤してもらっていざ自分の名前を呼ばれた時に、薬を見て気づくことが多かったりするのです。

もちろん、薬局で気づいてからでも遅くはありません。


薬剤師が電話で医師に問い合わせをして、医師の了承のもとで処方を変えることが可能だからです。

しかし、現実的にはこれでは大幅に時間がかかってしまうのです。

医師に問い合わせをして折り返しの電話を待つ時間と再度薬を作り直す時間とコンピュータで処方内容を入力し直す分の時間だけ余計にかかってしまうからです。

だったらその余計にかかった時間分だけ少しでも早く薬を飲ませたいと思いませんか?

このようなことにならないようにするためにも是非お薬手帳を活用して欲しいのです。


次の下の2枚の写真をご覧ください。

この写真では、3月28日にムコダインという粉薬とアスべリンという粉薬が処方されているのがわかりますよね。
しかし、家に帰っていつものように水で溶かして服用しようと試みた結果溶けずに飲めなかったのです。

大切なのは、今後もこのようなことがないように飲めなかった理由をお薬手帳に記載しておくのです。
せっかくいい薬が出ていても飲めないと意味がありませんものね。

このケースでは薬が飲めなかったのでその理由を書いてありますよね?
次に下の写真をご覧ください。

前回、粉薬が処方されたときに、何故飲めなかったか?をしっかり手帳に記載したからこそ、今回はシロップに処方が変わっている事がわかりますね?

また、粉薬といっても溶けやすいものと溶けにくいもの、また溶かしてはいけないものなど種類は様々です。

いつもどのようにして粉薬を服用しているのか?もお薬手帳に記載しておくと、溶けやすい粉薬を出してくれたり、味が良い粉薬を出してくれたりする場合があります。

副作用は薬同士の飲み合わせで起こるとは限らない

お薬手帳には自分のこれまでの薬の服用歴が記載されていると思います。

もちろん、それを見れば薬同士の飲み合わせが確認出来ます。

当然ですよね。その為のお薬手帳ですから。

しかしです、、、

実は副作用というのはお薬同士で起こるとは限らないということはご存知でしょうか?

さらに、外用薬といえども時には重大な副作用が出てしまい病気を悪化させてしまう事だってあるのです。
別に外用薬と自分が服用している薬同士の飲み合わせが悪いからではありません。

しかしながら外用薬で重大な副作用が出る場合がある。これは事実です。

お薬手帳がなくても、今は携帯電話やパソコンから容易にインターネットで自分が服用している薬の情報を調べたり、薬同士の飲み合わせを調べたりする事が出来る時代です。

きっとこのコラムをご覧になっている方もパソコンやスマートフォンから閲覧しているかと思います。

そのような方ならきっと薬同士の飲み合わせや自分が服用している薬の情報をインターネットから見つけ出す事は容易い事でしょう。

では、インターネットでどのように検索しますか?

例えば自分がA,Bという名前の2種類の薬を服用しているとするとすれば、おそらく検索キーワードは「A,B, 飲み合わせ」「A,B 薬効、効能」、「A,B 副作用」「A,B 相互作用」のようなキーワードを使用し検索するのではないでしょうか?

もちろん、薬同士の相互作用や副作用を調べるだけならこのような検索方法で問題ないと思います。

しかし、薬の中にはこのインターネット検索でも、ヒットしにくい(見つかりにくい)副作用が存在します。

何故ならその副作用というのは人ぞれぞれの体質や併用薬で変わってくるからです。

だからこそお薬手帳が必要なのです。

次の写真を見て下さい!!

アルデシンという点鼻薬が処方されているのがわかりますよね?

アルデシンというのはアレルギー性鼻炎の点鼻薬で花粉症がひどいという事で処方されました。

ところが,この点鼻薬を使い始めてからしばらくして気分が悪くなり体調不良になってしまったのです。

そして、その原因はこの点鼻薬によって引き起こされた血圧の上昇と血糖値の上昇だったのです。

実はこの点鼻薬には血糖値と血圧を上昇させてしまう作用があるのです。

そして後から、この方は実は糖尿病と高血圧症を患っており血糖値を下げる薬と血圧を下げる薬を服用していた事が分かりました。

この体調の悪化は点鼻薬と服用していた薬の相互作用が原因ではありません。

「糖尿病」と「高血圧」という持病を持ったこの患者様だからこそ起こった副作用なのです。

この体調不良の原因が、まさか外用薬だったなんて疑いませんよね?

仮に外用薬の副作用を疑い、インターネットで「アルデシン 副作用」と検索しても「気分が悪くなる」、「体調不良になる」なんてきっと出てこないでしょう。

アルデシンという点鼻薬によって引き起こされた血圧上昇、血糖値上昇が原因で起こった体調不良なのですから。

しかし、仮にお薬手帳をしっかり活用していれば、そのお薬手帳を見た薬剤師がプロの目線からきっと体調不良の原因はアルデシンという点鼻薬です。と突き止めてくれることでしょう。

今回は1例として点鼻薬の例を取り上げましたが、自身の体質や持病によっては点鼻薬に限らず、点眼薬、湿布剤、時にはイソジンのうがい薬だって体調が悪化する事があるのです。

下の写真は点眼薬で持病の気管支喘息が悪化してしまったケースです。

お薬手帳にミケランという点眼薬を使った後の体調変化をしっかり記載していたため、喘息の悪化は点眼薬だと気づいたケースです。もしお薬手帳を活用していなければ、この喘息の悪化の原因をなかなか突き止める事ができなかったでしょう。
外用薬の場合は内服薬と違い、副作用はないだろう、飲み合わせは問題ないだろうと軽視されやすいところが最大の落とし穴であり、発見が遅れる事が多々あります。場合によっては外用薬が原因だなんて全く疑いさえもしないのではないでしょうか?

下の写真はボルタレンという痛み止めのテープが持病の喘息を悪化させてしまった事例です。このボルタレンと同じような成分が実は市販薬にも含まれる場合があるため市販薬も決して侮れません。

もし、外用薬を使い始めてから体が調子悪いなど思い当たる節がある場合はもしかしたらその外用薬が原因かもしれません。

外用薬だから手帳は活用しないではなく外用薬だからこそ手帳をしっかり活用し、使用後の体調変化を手帳に記載する事こそが、体調悪化を止める為の一番の近道かもしれませんよ。

かかりつけ以外のクリニックや病院を受診するときの活用法

皆様は、かかりつけのクリニックやかかりつけの薬局をきっとお持ちだと思います。

しかし、時にはいつもと違う病院や薬局にかかることもあるでしょう。

例えば、かかりつけのクリニックから大学病院や専門の病院を紹介してもらったり、病気がなかなか良くならないからクリニックをちょっと代えてみたりなど。
このようなご経験が1度くらいはあるのではないでしょうか?

このようなに何らかの理由で病院やクリニックを代える時こそお薬手帳をしっかり活用しましょう。

ここで私の経験上、本当によくある事例をお話させていただきます。

「お薬手帳をしっかり活用していればよかったのにな」「是非お薬手帳を利用してほしいな」と思った事例です。

いつも私の薬局を利用している患者様が、なかなか病気が良くならないという事でかかりつけとは違うクリニックにおかかりになりました。

ところがそちらのクリニックで処方された薬は、結局今まで服用していた薬と同じ薬だったという話です。

これでは、何の為にかかりつけ以外のクリニックを受診したのか分からなくなってしまいますよね。

「良くならないからいつもと違うクリニックを受診したのに」となってしまいます。

でも、よく考えてみると当然かなと思ってしまいます。

かかりつけ以外のクリニックにかかった場合、そのクリニックの医師には患者様のこれまでの病気の経緯、治療の経緯はもちろん、服用している薬の名前すらもわらかないのですから。

分かるのは現状、すなわち診察した時点で医師が直接見る事ができる症状や所見のみです。

つまり病気を診断する為の情報が少ないのです。

ですので、医師側としては緊急性がなければ、とりあえず自覚症状を改善できるような薬を処方し、それでダメなら検査という流れで治療を進めていくのです。

つまり、検査までに2回のステップを踏む事になります。

この流れをスムーズにする為に、そして病気を少しでも早く改善するためにはやはりお薬手帳が力を発揮してくれます。

患者様自身がAクリニックとBクリニックの2つの医療機関の情報をつなぐ架け橋になればいいのです。

橋を架けるためのツールとしてお薬手帳を利用すればいいのです。

では具体的にどのようにお薬手帳を活用すればよいのでしょう?

↑の写真は2月14日にAクリニックにかかっており、症状が全く変わらない、良くならないという理由で2月19日にBクリニックを受診した例です。
結局同じ薬が処方されてしまっていますよね?症状が良くならないから医療機関を代えたのに・・・となってしまいます。

Aクリニックでこれまで行っていた治療の経緯(こういう検査をした、医師からこのように言われたなど)を簡単にお薬手帳に書き込み、処方された薬は必ずお薬手帳に記載します。
検査をした場合などは検査結果表をもらえる場合がありますので、結果表などはお薬手帳に貼っておくとよいでしょう。

また、Aクリニックから処方された薬を服用した後の体調変化(良くなったのか?悪化したのか?変わらないのか?)を手帳に記載します。
その他、いつもと違う症状に気づいたときなどは、その症状と発現する時間帯などもお薬手帳に記載しておきます。

あとはそのお薬手帳をBクリニックの医師に見せるだけです。

簡単ですよね?

Bクリニックの医師がこのお薬手帳を見ればこれまでの治療経緯が分かりどのような検査が済んでいて、どのような薬を処方すれば良いのか?などが分かるため治療を円滑に進める事が出来ます。

さらに、治療を円滑にする為だけではなく、検査の重複、薬剤の重複なども未然に防止するため医療費の削減にも繋がる可能性があります。

しかもお薬手帳は無料で薬局からもらえますし、自分で手帳に書き込むだけですから費用も一切かかりません。
このような機会があったら是非試してみて下さい。

医師・薬剤師から言われた大切な事はお薬手帳にメモしておこう

皆様は、クリニックでの医師の診察の時や、薬局での薬剤師からの投薬の時に、いろいろな説明を受ける事があるかと思います。

その説明の内容は病気の事、生活で気をつける事、薬の副作用、食事で気をつける食べ物など患者様ごとに人それぞれだと思います。

そして、これらの内容は病気を悪化させないようにするため、または治療を早めるため、そして自身の健康を守るために非常に大切な内容のはずです。

大切な内容だからこそ医師や薬剤師は患者様に説明をしているのです。

大切な内容でなければあえて説明をする必要はありませんからね。

しかし、皆様はそれらの説明をいったいどれくらい覚えているのでしょうか?

もちろん全部覚えているという賢い方もいると思います。

しかし、人間は忘れる生き物です。時間が経過すればするほど必ず忘れていきます。

それは3日後、3週間後、3ヶ月後、3年後・・・?

そして忘れたときこそ要注意!! 「忘れていた」では済まされない事もあります。
大切な説明を忘れていた為に副作用が出てしまったという方も私は実際に何人も見てきています。

ところで、風邪をひいた時に、症状が悪化しないようにと抗生剤を処方された事はありませんか?

その時に、医師や薬剤師から「抗生剤は必ず最後まで飲みきって下さいね」と説明を受けませんか?

しかし、実際フタを空けてみると説明の通りに最後まで飲みきっている方って少ないんですよね。

理由を聞くと、ほとんどの場合「症状が改善したから」と答えが返ってきます。

実は、「人間は忘れる生き物」という事以外にも、ここにも落とし穴があります。

それは、「自覚症状がないと薬を飲まなくなる、1度体験しないと怖さが分からない」という事です。

しかし、自覚症状がないからこそ自覚症状がでないように薬を服用する、怖い体験をしてからでは遅いからこそしっかり薬を服用するのです。

今回も話が少しそれてしまいましたが本題に戻ります。

医師や薬剤師から大切な説明を受けても人は忘れてしまう可能性があるということでしたね。

だから、皆様に是非やっていただきたいことは・・・

もうお分かりですね?

お薬手帳の活用です!

ではどのようにお薬手帳を活用するのか?それは医師や薬剤師から言われた大切な事は忘れないようにお薬手帳に書いておくのです。いや、正確には忘れてもいいように記録して残しておくのです。
そうすれば、いざというときに手帳を見ればよいわけですからね。

↓の写真はキサラタンという眼圧を下げる点眼剤が処方された患者様が、キサラタンの保管方法について薬剤師から説明を受けて大切な事だと思い忘れないようにと、また点眼剤の処方医師から受けた注意事項に関する説明も大事だからとお薬手帳に記載した例です。

※もしこの事例のように、処方医や薬剤師から市販薬の飲み合わせに関する注意点を説明された場合は「注意する商品名」ではなく「注意する成分名」を確認し、成分名を記載しておくことをおすすめします。有名な医薬品であれば飲み合わせも確認しやすいですが、今の時代は自社製品(プライベートブランド)などもたくさん世に存在しますから、同じ成分を含む商品が数十種類以上存在します。そしてその商品名を全て把握するのは相当困難だからです。成分名は誰が見ても一つしか存在しません。成分名こそが医師、薬剤師、登録販売師の誰が見ても同じイメージができる共通の指標なのです。

上の写真は患者様が血糖値の薬を初めて薬局でもらう際に薬剤師から言われた低血糖についての説明を忘れないようにお薬手帳に記載した例です。

しかし、医師や薬剤師の説明の中で何処の部分が大切なのかが分からないと思った方もいるかもしれません。

大切な情報というのは、患者様にどうしても伝えておきたい情報です。そのような情報というのは説明する側もいろいろな会話のテクニックを利用しているはずです。

説明する側が会話のトーンを変えた時、一連の会話が終わった後の一番最後の説明、または「間」を置いた後の一番最初の説明が「大事な説明」である場合が多いです。

場合によっては大切な説明が一連の会話に紛れ込んでしまい見逃してしまう事もあるかもしれません。

そのようなときは、遠慮せず「何か気をつける事や治療のアドバイスを教えて下さい」と言っていただければと思います。

薬が変更になった時は必ず理由を記載しよう

血圧の薬、コレステロールの薬、糖尿の薬あるいはてんかんの薬だったり服用している薬は人それぞれで違います。

しかし一番最初に飲み始めた薬と今現在飲んでいる薬が同じという方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
最初から今まで薬が一度も変更になっておらずずっと同じ薬を飲み続けているという方はまれだと思います。

医師から処方される薬は様々な理由で変わるからです。

副作用が出てしまったから。あるいは飲んでも一向に改善が見られないから。あるいは症状や検査値が改善したから。

このようないろいろな理由で処方される薬というのはかわっていくものです。

薬が変更になった時に大切な事は、何故薬が変更になったのか?という理由なんです。

同時に私たち医療従事者が薬が変更になった時に一番困る事はこの理由(何故薬が変更になったのか)が分からない事です。

何故薬が変更になったのか?の理由が分からないと、また同じ副作用を繰り返してしまう可能性があります。

ずっと同じクリニックや薬局を利用しているという患者様でしたら、かかりつけの医師や薬剤師が薬が何故変更になったのかを把握しているので、それほど心配はないかもしれません。

問題は他のクリニックや薬局にかかった時なのです。

他のクリニックや薬局では、何故薬が変更になったのか?という情報が一切無いからです。

だから、薬が変更になった理由が分からないと同じ副作用に苦しんだりしてしまう可能性があるのです。

こういう時こそお薬手帳の活躍の出番なのです。

是非、お薬が変更になった時は何故薬が変更になったのか?その理由を手書きで手帳に書いておきましょう。
これだけで同じ副作用を防ぐことが出来るばかりか、治療をスムーズにし治りを早めてくれるかもしれません。

では実際にどのように活用すれば良いのかの活用例の写真を載せますので参考にして下さい。

上の写真では何故薬を飲むようになったのか?そのきっかけが記載してあります。そして薬の服用開始日は平成23年12月20日です。また、最初の薬の交付の際に薬剤師から言われた大切な事を忘れないようにメモしてあります。クリニックで測定した血圧も記載してありますね。

この写真は薬を14日間服用後の平成24年1月4日に交付された薬の記録です。
12月20日から薬を服用し、クレストールという薬がメバロチンという薬に変更になった理由をしっかり記載してあります。この理由を記載しておかないと、しばらく月日が経過したときにこの情報が風化されてしまいまた同じ薬が処方されてしまう可能性があります。

そしてさらに2週間後の薬の記録です。平成24年1月20に薬をもらっていますね。今度はどうでしょう?よく見るとノルバスクという薬の量が5mgから2.5mgに減量になっていますね。この時もしっかり理由を記載してあります。

なんだかお薬の日記帳みたいですね。

それでいいんですよ。

調剤薬局でお薬をもらうとき、必ずお薬の写真付きの説明文書も一緒に交付されますよね?
あの写真付きの説明文書はそのお薬を飲む時だけ一時的に必要なモノです。つまりその時に処方された薬を飲み終わったら、またはその時の病気が改善したらまったく必要の無いモノです。

しかしお薬手帳というのはこれから先もずっと必要な記録なのです。お薬の記録を経時的に記録をする本当に日記帳のようなモノなのですよ。

お薬が変更になったときは、このように手帳に変更になった理由を記載するだけで、同じ副作用の再発防止や、治療の効率化につながります。
是非記載しておく事をおススメ致します。

血液検査の結果表をお薬手帳に貼付しよう

今回のお薬手帳活用例は少し上級編かもしれません。

と言ってもやる事は簡単です。

病院やクリニックで定期的に行う血液検査ありますよね?

血液検査を行うと必ず検査の結果表をもらえると思います。

その結果表をお薬手帳に貼付けるんです。

これだけです。簡単ですよね?

簡単なんですど、このたった貼るだけの作業が実はすごく大切なんです。

というのは、血液検査の結果次第では飲んではいけない薬があるからです。

少し話がそれますが、そもそも血液検査というのは何の為にしているのでしょうか?

また、血液検査の結果表からいったい何が分かるのでしょうか?

あまり意識をしていないという方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、コレステロール値、血糖値、尿酸値など生活習慣病に起因する数値が高くなっていないかを調べるためというのも目的の一つです。

薬の服用前と比べて、薬の服用を開始してからどの程度検査値が改善しているかどうかを見るためというのもこれまた目的の一つです。

血液検査をする目的としてこの2つはだいたい思い浮かぶかもしれません。

しかし、この2つの目的の他に実はもう一つの大切な目的があります。

それは・・・。

薬による副作用が出ていないかを確認するために血液検査をするということです。

副作用は目で見える副作用と目に見えない副作用があります。

目に見える副作用は比較的早期発見ができますが、目に見えない副作用というのは発見が遅れてしまい、重篤化することもしばしばです。

そして、目に見えない副作用だからこそ、血液検査で調べるのです。

このような目に見えない副作用が出ていないかをチェックするための血液検査というのは、服用している薬が違えば見るべき項目も違ってきます。

だからこそ、お薬手帳に血液検査の結果表を貼り、特にどの項目をチェックすれば良いのかを医師や薬剤師などに聞いておき注意する項目にチェックをつけておくのです。

できれば、各検査値の正常範囲やその数値が高いとどのような自覚症状が出るのか、数値が低いとどのような自覚症状がでるのかなども医師や薬剤師に確認しておき忘れないようにお薬手帳に記載しておくと副作用の早期発見ができると思います。

なんとなく体がだるい、風邪っぽい症状が続く、微熱が続く、喉が痛いなどの何気ない症状が実は重篤な副作用の初期サインだったなんてケースも数多くあります。区別がつかないんですよね。

こうならないためにも血液検査はただ医師の言われるがままにやるのではなく、何の為にやるのかをしっかり理解した上で行うということが大変重要なんです。

お薬手帳の活用:血液検査の結果表をお薬手帳に貼付しよう
お薬手帳の活用:血液検査の結果を記載

このように血液検査の結果表をお薬手帳に貼っておけば、もし、かかりつけ以外のクリニックを受診した時にお薬手帳を医師に見せるだけで、自分が飲んではいけない薬を避ける事ができ、自分に合った薬を処方してくれるでしょう。
万が一自分が飲んではいけない薬が処方されたとしても血液検査の結果表を貼ったお薬手帳を薬局の薬剤師に見せれば、飲んではいけない薬に薬剤師が気づいてくれることでしょう。

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