こんにちわ。
東武東上線沿線で調剤薬局を展開している株式会社パル・オネストの薬剤師社員です。
このカテゴリーでは当社の薬剤師が、皆さんがきっと気になっているであろう様々な薬の様々な疑問や相互作用、副作用についてプロの目線から分かりやすく答えていきます。
今回は、高血圧の薬とグレープフルーツの関係についてお話をしたいと思います。
高血圧の薬を薬局からもらうときに、「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでくださいね」と言われたことはありませんか?
グレープフルーツと相性が悪い高血圧の薬を一般的にカルシウム拮抗薬と言います。
よく処方されるお薬としてはノルバスクやアムロジン(アムロジピン)、アダラート(ニフェジピン)、アテレック(シルニジピン)、カルブロック(アゼルニジピン)、バイロテンシン(ニトレンジピン)、バイミカードなどがあります。
これらの薬は肝臓から出る酵素によって徐々に分解されますが、この酵素をグレープフルーツに含まれる成分が邪魔をすることでうまく働かなくなります。
そのためお薬が体から無くなるまで時間がかかり、効果が強くあらわれてしまいます。そのため、一緒に飲まないようにと言われているのです。
「じゃあ、グレープフルーツだけがだめなの?」と思われる方も多いと思います。
なぜグレープフルーツが主に言われるかというと、一番身近で馴染みが深く、皆様が一番食べる頻度が高い可能性がある果物だからです。
実はグレープフルーツと同様の理由で、一般に食べてはいけないとされているもの(場合よっては大量摂取を控えるもの)があります。下にその代表的な食べ物を挙げますので参考にしてみてください。
晩白柚、土佐ブンタン、平戸ブンタン、スウィーティー、サワーオレンジ(ダイダイ)、夏みかん、ポンカン、いよかん、絹皮、金柑、八朔 などです。
しかし大好物を控えるというのはつらいですよね?
どうしても食べたいという方は一度、担当医師と相談してみてはいかがでしょうか?
このような食べ物が何故食べてはいけないと言われているのか?
その理由をしっかり把握した上で医師とよく相談すれば、意外と食べられる物もあるかもしれませんよ。
しかし、バイミカードという薬やバイロテンシン(ニトレンジピン)という薬はグレープフルーツなどの影響を特に強く受け、薬の作用がかなり強く現れてしまうためにグレープフルーツ等の摂取は難しいかもしれません。
ちなみにオレンジやみかん、レモン、カボスはどのお薬にも影響しませんので気にせずに食べても大丈夫ですよ。